新型出生前診断を受ける前にチェックするべきポイントとは?
日本でも周知されるようになってきた新型出生前診断は、確定検査ではありません。そのため、胎児の染色体異常や先天性異常が見つかった場合は、確定検査を受ける必要があります。こちらの検査は、妊娠10週目以降から受診できることに加え、母体の負担軽減などのメリットがあります。ポイントも交えて紹介します。
新型出生前診断の特徴
2013年から日本でも検査が開始されました。妊娠初期の頃から検査を受診できるのが特徴です。
近年開発された検査
これまで日本でも行われていた絨毛検査、羊水検査、エコー検査、母体血清マーカー検査と同じく、出生前診断の1つになります。日本では2013年から導入されているので、近年開発された検査です。そのため、大学病院などの大きい病院では、日本産科婦人科学会から認定された機関として、検査を実施するだけではなく臨床実験の側面も持っています。
費用の相場は8~20万円と、エコー検査や母体血清マーカー検査と比較すると高額ですが、臨床実験の段階が終了すれば、費用は安く抑えられる見通しであるといわれています。こちらの検査を受診する妊婦さんは増加傾向で、母体の負担が軽減されているのも支持されている理由となっています。
胎児の染色体異常や先天性異常が分かる
こちらの検査で分かることは、胎児の染色体異常や先天性異常があるかどうかです。妊娠10週目以降から検査を受診できるので、早い段階で知ることができます。これはほかの出生前診断よりも早くなっています。そのため、新型出生前診断で陽性の判定が出た妊婦さんは、絨毛検査や羊水検査を受診して、さらに詳しく調べてもらうようになっています。
検査で陰性の判定が出た妊婦さんは、出産のための準備を整える時間にあてられます。ダウン症などの症状がある子どもが生まれてくる可能性が高いことを早期に知ることで、夫婦で話し合う時間を設けられます。また、より安全に出産するための準備や育児に向けた準備も進められます。
新型出生前診断を受けるメリット
メリットをいくつか紹介します。母体の負担軽減と胎児にダメージがないのが魅力です。
流産や死産のリスクがほとんどない
絨毛検査や羊水検査では、胎児のダメージが少なからずあります。それにより、早産、流産、死産のリスクが、わずかですがありました。新型出生前診断では、母体の採血だけで検査ができるので、胎児にダメージがありません。また、少量の採血だけで済むので、検査時間が短く母体の負担が軽減されました。そして、妊娠10週目以降から検査を受診できるのもメリットです。
精度が高い
99%と精度が高いのもメリットです。検査の結果が陰性であれば問題ないといわれています。これは、ほかの出生前診断と比較すると高い精度となっています。
新型出生前診断を受ける前にチェックするべきポイント
3つのポイントを紹介します。こちらの検査は確定検査ではないので、陽性の結果が出た場合でも、診断結果ではないことは認識しておきましょう。
確定検査ではない
こちらの検査は確定検査ではありません。あくまで胎児の染色体異常や先天性異常を見つけるための非確定検査です。そのため、判定結果は診断結果ではありません。診断を受けるためには、確定検査である絨毛検査や羊水検査を受診する必要があります。高い検査精度ですが、結果が確定するわけではないということを理解しておきましょう。
陽性の結果が出た場合、大学病院で検査を受けた妊婦さんは、そのまま大学病院で確定検査に移行することが多いです。病院やクリニックで検査を受診して陽性の判定が出た妊婦さんは、医師に紹介状を作成してもらい、大学病院などの大きい病院で確定検査に移行するようになっているケースが多いです。
夫婦やパートナーと話し合う
陽性の結果が出た場合、夫婦やパートナーと話し合いましょう。生まれつき障害を抱えた子どもが、もうすぐ自分たちのもとにやってきます。今後の選択を夫婦やパートナーと決定しましょう。そのためにも、新型出生前診断を早い時期に受診するようにしましょう。仮に陽性の結果が出た場合でも、時間的な余裕があるのでゆっくり話し合うことができます。その後の確定検査の準備も余裕を持って進められるでしょう。
サポートしてくれる専門家を見つけておく
検査前や検査後にサポートしてくれる専門家を見つけておきましょう。普段通っている産婦人科やクリニックに遺伝カウンセラーが所属していれば、遺伝カウンセリングを希望してみましょう。妊婦さんを心理面でも社会面でもフォローしてくれます。専門家に相談することで悩みを解消できたり、新たな知識を得たりすることもできるので、積極的に利用してみてください。
まとめ
費用は8~20万円と高額ですが、絨毛検査や羊水検査と比較して安全に検査を受診できます。また、母体の負担が少なく、胎児にダメージがないことから、受診を希望する妊婦さんの数は増加しています。確定検査ではないものの、陽性の結果が出たときは夫婦やパートナーは落ち込んでしまうでしょう。確定検査に進むまでに時間的な余裕があれば、遺伝カウンセリングを受けてみてください。カウンセリングで話すことで自分の気持ちを整理できるうえ、カウンセラーから新たな知識を得られます。また、これまでの自分の認知の歪みも修正してもらえるので、自分たちだけで悩まないでください。