新型出生前診断に問題点はあるのか
お腹の中の赤ちゃんに染色体異常がないのか心配している妊婦さんは少なくありません。その場合は、福岡でも受けられる新型出生前診断を選択肢にいれることをおすすめします。ただし、メリットだけでなくデメリットも存在するのは事実です。実際にどのような問題点が考えられるのかを知った上で、受けるか受けないかを判断してください。
結果が確定するわけではない
新型出生前診断は妊婦さんの血液だけで胎児の染色体について調べることができます。とても手軽な検査ではありますが、これだけで結果が確定するというわけではありません。もしも、陽性という結果が出た場合には、その後に確定診断が必要です。
実は、新型出生前診断は精度が高いとはいえ、これだけでは判断仕切れないこともあって確定診断といわれていません。陰性の的中率はとても高いのですが、陽性の的中率は陰性よりも低いので、陰性であれば他の診断を受ける必要はありませんが、陽性の場合は他の診断と合わせてようやく結果が確定します。
その後に受けるのは羊水検査や絨毛検査です。羊水や絨毛を採取しなくてはなりませんので、リスクが伴います。とはいっても、的中率がとても高いので、どちらかを選んで結果を確定しましょう。しかし、母体や胎児へのリスクがある程度考えられるので、これらの検査から始めるのではなく新型出生前診断の結果によって受けるかどうかがわかれます。
陰性という結果が出ればとくに問題はありませんが、陽性と出た場合はその後に確定診断をしなくてはならないことが問題点といえます。福岡県内でもちろん検査はできますが、事前にこれで診断結果が確定しないことを覚えておいてください。よりリスクの高い検査を受けることが必要になるかもしれないことまで理解した上で受けましょう。
結果によっては中絶手術を受ける人も
もしも、確定診断も含めて陽性と出た場合はどうするべきかが大きな問題点です。陽性ということは、胎児に染色体異常があり、何らかの障害のある子どもが産まれてくる可能性があります。親としては健康な赤ちゃんを望むでしょうし、中には中絶手術を決断する人もいます。実際に、福岡で新型出生前診断を受けて陽性になった夫婦が中絶を選ぶことは少なくありません。ただ命の選別につながってしまうということもあって慎重な意見がとても多いです。
そこで、日本産婦人科学会では新型出生前診断を受ける基準を設けました。35歳以上の女性が出産する場合、お腹の中の赤ちゃんに染色体異常の可能性がある場合、既に染色体異常の赤ちゃんを出産したことがある場合の中から2つに該当する人は受けられるようにしました。この検査には倫理的な問題につながってしまうという大きな問題点があり、障害者団体の中には懸念を表明しているところもあるほどです。
障害を持っている赤ちゃんを出産することになるかもしれない場合は、中絶手術を受けようと検査を受ける前からパートナーと相談して決めている人もいるでしょう。命の選別という重たい問題点が潜んでいる検査です。妊婦さんの血液を調べるだけでよいとはいえ、結果次第で中絶手術を本当に受けるべきかどうかは考えておく必要があるでしょう。デメリットについても知った上で新型出生前診断を受けるかどうかを考えなくてはなりません。
結果によってはショックを受けることもある
どのような結果が出るのか、結果が出るまでの間は不安な日々を過ごすことになるかもしれません。福岡で新型出生前診断を受ける際には、結果が陽性だった場合のことまで考えておいた方がよいでしょう。結果が出るまでの間に、パートナーと真剣に話し合うようにしてください。結果が陽性だった場合は、確定診断を受けます。それでも陽性という結果が出た場合は、とても大きなショックを受けてしまうかもしれません。これも問題点の一つといえます。
自分たちで決心して受けたとはいえ、自分たちの赤ちゃんが障害を持って産まれてくるとわかると、大きなショックにつながってしまうことは仕方がないかもしれません。中絶という道を選ばなかったとしても、精神的に大きな負担のある可能性があります。
あらかじめ、遺伝カウンセリングを受けておくと、そのショックを和らげることができるかもしれません。事前に受けるだけではなく、事後に受けることもよいでしょう。両方とも受けてじっくりと話を聞けばどのような結果が出ても精神的な負担も小さくなるかもしれません。
遺伝カウンセリングを受けることは推奨されているため、ぜひ受けてみてください。もちろん、福岡でも受けることができるため、事前に調べておくとよいでしょう。とくに、妊婦さんのストレスとなると胎児にも影響が出る可能性が高くなるので重要です。
新型出生前診断の検査には、受ける前、受けた後を含め複数の問題点が考えられています。今では、高齢出産の女性も増えていることもあり、福岡でも新型出生前診断を受ける人がとても多くなっています。この問題点を頭に入れた上で、本当に受けるべきかどうかを充分に考えて決断してください。